開発日誌

日々の開発、ものづくりについての話題や商品の説明を掲載していこうと思います。

アンチギロチン

 古いバイクのレストア等でカンチブレーキやローラーブレーキをいじることがたまにありますが、私はどうにもあのアイボルト(ギロチンボルト)が好きになれません。昔はあれしかなかったので仕方なしに使っていましたがVブレーキを知ってしまった今となってはやはり厳しい。そんなわけでアイボルトタイプのブレーキにVブレーキシューを取り付けるアタッチメントを作成してみました。

本日の名車紹介

まずは、素材についてどうしても書いておきたいので紹介をば。

Panasonic ATB-PRO(1987年製)

まだ小学生だった私がBMXからギアつきの自転車に乗り換えるにあってMTBが欲しくてしかった無かった頃のマシンです。松下が日本国内でパナソニックブランドのスポーツ車をはじめて売り始めた年のフラッグシップで、珍しい前26インチ、後24インチの前後異径モデルでした。

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MTBがニュースポーツだったころのんびりした雰囲気が漂ってますね。

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このころはPanasonicは海外向けの商標表で松下電器産業株式会社が社名でしたね。

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当時の大卒初任給が15万の時代。当然、小学生のおねだりの範疇をはるかに越えており、雑誌やカタログを見てはただあこがれるだけの存在でしたが、30年の月日を経てついにゲットできました。さすがにここまで古いとなかなかヤフオクにも出てこないのですが、大して競ることも無く落札。30年間、後生大事にカタログの切抜きをスクラップブックに大事に保存して来たかいがありました。いやぁ、うれしいですね。

 

ただ、さすがにいざ乗ろうと思うと、もはや何とか形は保っていると言ったレベルで、樹脂やスプリングの類がへたり切っており、大幅な部品の入れ替えが必要です。特に厄介なのがリアブレーキ。当時の定番ではあるのですが、このバイクはチェーンステーにローラーカムブレーキがついています。

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初期状態撮り忘れてしまいましたが、これがついてました。このブレーキ、滑車がなんともなんともレトロでかわいいのですが、まじめに使おうと思うとブレーキシューは古いアイボルトタイプになっていて最新のMTB用のブレーキシューが取り付けられません。もちろん絶対ダメかと言われればそうでもないのですが、この手のアイボルトタイプのブレーキシューは微調整が難しく、微妙なトゥイン調整とか気にし出すと泥沼にはまるので昔から私は嫌いなのです。言わば信仰上の理由というやつです。

 

試作結果紹介

そんなわけで、試行錯誤の結果できたものがこちら。

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もっとも、Vブレーキのシューが簡単に取り付けられるUブレーキへの置き換えが一番手っ取り早いのですが、それではつまらないし、商品のネタにもならないのであれこれ考えました。少し無骨な感じもありますが、コンパクトなつくりなのでまぁまぁの収まりにはなっているかとお思います。ブレーキの効きもまずまず。シューの調整もVブレーキライクで非常に簡単になりました。トゥイン調整苦手な方はその手のジグも安く売られているので、それ使えばばっちりでしょう。実際問題として、設計の古いブレーキと言うのは剛性も低く、シューだけ変えてガツンと効くようになるかと言われると、まぁそれ相当なんですがブレーキ本体の実力以上のことはやりようがないのでしょうがないかなと思います。汎用性も高く、カンチ全般に使えるので、昔の骨董品カンチで遊びたい時とかにどうでしょうか?

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別件でスターメーアーチャーの内装ギアを評価したかったのでシングルギア風のクランクに変えたりしたのでだいぶ雰囲気が変わってしまいました。とりあえずでつけたブラックスポークのラジアル組みのフロントホイールやブラックサイドのタイヤが主張が強く、もともとののんびりした雰囲気がなくなってしまっているので、フロントホイールは一から組みなおし、タイヤもスキンサイドのものに変えようと思っています。後は、チェーンテンショナーとカタログどおりのシートポスト入手したのでその辺をいじってとりあえず完了かなと。遠めにきれいですが自家塗装なので、ちゃんと塗装屋さんに出してきれいにしたいのですがステッカーの再生をどうやれば良いのか良くわからないので、それはおいおい。いずれにせよ、これからもいじりながら大切に乗っていきたいと思います。

 

あと、折角なので最後に他に検討してボツになった案を紹介します。

検討案1

まずは一番シンプルな解決策として、アルテグラのブレーキシューを使いこんなものも作ってみました。

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長めのM5ボルトに内径5mm、外径7mmのステンレス管(シームレス)をセットしています。一度M5ボルトを固定した状態でアイボルトを閉めてだいたいの位置決めをし、M5ボルトゆるめて微調整をします。調整はかなりやりやすく、安価で見た目も元に近い点は非常に良いのですが、アイボルトの締め付けを繰り返しているうちにステンレス管が変形してきてしまい、M5ネジが回らなくなってしまいました。設計上、内径と外径が決まってしまうため、材料以外に変更のしようが無いのですが、錆びにくいなど使い勝手を考えるとこれ以上どうこうするのも難しいと思います。まぁ、それにできればブレーキシューもロード用じゃなくてMTB用使いたいですもんね。というわけで不採用。

 

検討案2

次に長いこと倉庫の肥やしになっていたマグラのハイドロストップ(油圧カンチ)を検討してみました。前々から思っていたんだけど、フレームに固定するブロックをひっくり返すとそれっぽい位置になるんですよね。

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実際はUブレーキの台座ってカンチの台座より太くなっているのでブロックはそのまま入らないのですが、やってやれないことは無い感じはします。あと、デザイン的にも昔風(まぁ、実際、買ってから20年以上立ってるし)だし、ブレーキブースター一体型でつくれば、ガツンと効いて面白いんじゃないかと思い、設計開始。

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と、こんな感じで3Dモデルまでは作ってみたものの、設計しながらUブレーキ台座付のフレームを持っている確率 X マグラの油圧カンチを持っている確率ってほぼゼロじゃないかと思い始め、試作の意欲がわかなくなり断念。これも不採用。

 

以上、近々、製品化に向けクラウドファンディングに挑戦してみたいと思っております。ほぼ原価での提供をしたいと思いますので、興味のある方はぜひご出資をお願いいたします。

2017/11/15 アンチギロチン   Go
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